コラム|LEDサイネージ
LEDビジョン設置の基礎知識——ピッチ・輝度・設置環境の3軸
「LEDビジョンを付けたい」と思ったとき、カタログにはP2.5、3,500cd/m²、IP65……と数字が並びます。難しく見えますが、選定の軸は実は3つだけ。粒の細かさ(ピッチ)・明るさ(輝度)・設置環境です。この3つを順に見ていきます。
軸1:ピクセルピッチ——「どこから見るか」で決まる
ピッチとは、LEDの粒と粒の間隔(mm)のこと。P2.5なら2.5mm間隔です。粒が細かいほど近くで見てもなめらかですが、その分価格は上がります。だから「見る距離」から逆算するのが正解です。
| ピッチ | 向いている用途 |
|---|---|
| P1.2〜P2.5 | 受付・ショールームなど、間近で見る屋内 |
| P2.5〜P4 | 店頭ビジョン・店内演出など、数m離れて見る場所 |
| P5〜P10 | 道路沿い・屋外の大型ビジョンなど、遠くから見る場所 |
ざっくりした経験則として「ピッチの数字(mm)≒ 快適に見える最短距離(m)」という目安があります(P4なら約4m〜。統一規格ではなく、あくまで目安です)。トップページの体験コーナーでは、ピッチの違いを実際に切り替えて体感できます。
軸2:輝度——太陽に負けない明るさか
輝度はcd/m²(カンデラ)で表します。屋内なら500〜700cd/m²程度で十分ですが、屋外は1,500〜3,500cd/m²、直射日光が当たる場所では2,500cd/m²以上が目安。屋内用のパネルを屋外に持ち出すと、昼間は「点いているのに見えない」状態になります。逆に夜の会場で明るすぎると眩しいので、時間帯に合わせた輝度調整も大切です。
軸3:設置環境——雨・ホコリ・法規
- 防塵防水 — 屋外設置はIP65等級が目安。雨とホコリからパネルを守ります。
- 法規 — 高さ4mを超える広告塔などは建築基準法の工作物確認申請と構造計算が求められます。設置場所によっては自治体の屋外広告物条例の許可も必要です。計画段階での確認が欠かせません。
- 構造 — 壁面・自立・吊りなど設置方法によって、下地や風荷重への備えが変わります。
寿命と保守——「切れる」のではなく「暗くなる」
LEDは電球のように突然切れるのではなく、長い時間をかけて徐々に暗くなっていきます(チップの寿命は一般に5万〜10万時間といわれます)。途中で起きやすいのは、一部のモジュールの画素抜けや色ムラ。ここで大切なのは、LEDビジョンは画面まるごと交換しなくても、モジュール(パネル1枚)単位、さらにはチップ(1粒)単位で直せるということです。詳しくは修理・補修のページをご覧ください。
価格はどう決まるか
LEDビジョンの価格は、おおまかに面積 × ピッチ(細かいほど高い)× 屋内外仕様で本体が決まり、そこに施工費・映像システム費・運用保守費が加わります。「大きさ」と「見る距離」が固まれば、概算はすぐに出せます。
「うちの場所ならどのピッチ?」——設置場所の写真と、見せたい距離感がわかれば、そこから一緒に考えられます。